ぐるぐるぐるぐる、気付けば年が明けている。
ひたすら同じ場所で洗浄と脱水を繰り返しただけ。
濡れたまま前進も後退も出来ず、まあもう、磨耗。
しらっちゃけて毛玉だらけの私の、一年間で残った手掛かりと言えば
心の隅のネットに引っかかり溜まっている得の知れないゴミ。
そんな不実な感情をつまみ上げてここに書き記す。
2月 yes you are
仕立て屋サーカスへ料理出展
「即興的」であること。
枠にはまらず自由に思うままに何度も瞬間を生み出すこと。
質問と答えの真っ只中、
プラスの必然性とマイナスの必然性がせめぎあうその瞬間
正解を選択し続けようとする試み。
全ての過去と未来を同時にはらんでしまっている
悲しく新しい今をくっきりと浮かび上がらせてみる行為。
私はすべての即興に憧れる。
5月 i am not i
十年間の愛が終わった。
同時に今も未来も跡形もなく崩れたみたいで
息もできないくらいの弱っちい日々。
何もわらないという事だけが、よくわかったよ。
8月 夏休み −×−
数学的に云うとマイナス×マイナスはプラスになると言うことで
混沌に混沌を掛け合わせて、私なりの秩序と正解を取り戻そうと
中東へ旅にでたが、逆に強烈な混沌を背負って日本へ戻った。
一滴の水でシュッと溶けてしまう綿飴みたいなフワフワな精神。
ただ少しだけ希望があるとするならば、帰っても仕事があるという事くらい。
12月 n.o.
師走の強烈な忙しさ。
疾走感と失踪感、脇目も振らずに走り切って
何か大切なものを取り返すかの如く
正月休みは、昼から食っちゃ寝、呑んじゃ寝。
さあ、あけましておめでとう。再生の朝。
ブルーズが延々と広がる。
不安さんや絶望さんとねんごろになって折り合いを付け続けなければならない。
2万9千円六畳一間のアパートには相変わらずカーテンはなく斜陽が刺さる。
ここには、冷蔵庫もアイロンもテーブルもない。
そして、携帯を失くした。今日パソコンが壊れた。
思い出は全部置いてきなさいよと、きっと神様の仕業。
今あるのは完璧な日当たりとベッドとテレビとこの前もらった大きなテレビだけ。
愛も才能もお金もないまま、昨日で39歳になりました。
反省も抱負も浮かばない
「先を思うと不安になるから今日のところは寝るしかないね」
2015年の強い印象
映画
恋人たち(橋口亮輔)
マミー(グザヴィエ・ドラン)
サイの季節(バフマン・ゴバディ)
ライブ
寺尾紗穂 (伝承ホール)(つくば食堂花)
友部正人 (スターパインズカフェ)
川下直広カルテット (つくばフロッグ)
goma&the jungle rhythm section (サムズアップ)
本
水と水が出会うところ (レイモンド・カーヴァー)
黒い波 (ドラゴ・シュタンブク)
店
手と花(神田)
cox(つくば)
伎魯伎魯(祇園)
ドキドキは私にとって太陽である水である。
私に内在する種から芽をだしてくれる。
映画(DVDを含む)を百本くらい観た。
歳を食えば食う程に、詰まらない映画を見かけなくなったのは
寛容になったというよりは、自分の視点が増えたんだろう。
詰まらないと面白いの隔たりは案外、傲慢でデタラメで
ちょっと角度を変ただけで、全く新しい景色が見えたりもする。
今年はどれくらいドキドキできるだろう。
ぐるぐるぐるぐる
どうぞ、擦り切れちまうまえに、始めよう。