植物と一体化した住居
地球から生えてきたような、これも住居
ビザンツ建築の最高傑作「アヤソフィア」
「トプカプ宮殿」
搾りたてのジュースはそこいらじゅう。
軒先で窯一つ、一種類のパン「エキメーイ」を焼いて売るおじさん。
今回の旅行でこの30円のパンが一番うまかった。
居酒屋の前菜「メゼ」。好きな物をいくつか選ぶ
お目当ての鯖サンドは三か所で食べたが、今一つ。
海の方へ
蚤の市
子供を抱いて物乞いするお母さん。みんな生きている。
とにかく今の、中東に行ってみたかった。
その中で言葉の響きで選んだ「イスタンブール」。
モスクやキリムやバザール、人々の祈る姿
想像しきれないエキゾチックな風景を望んでいた。
しかし実際のそこは混沌が横たわり美しさは隠れてしまっていた。
超巨大なアメ横みたいなところに東洋から西洋から
すごい数の物と人がごった返して、喧騒が鳴りやまない。
太陽と埃のど真ん中で力強く暮らす人たちのパワーに
ただただ押しつぶされて毎日疲弊するばかりであった。
商人も漁師も物乞いも難民も少年達も皆、生きる事を疑わない。
そのなりふり構わない姿は、塊りとなって弱っちい自分に
降り積もる。ぼくはただ毎晩同じパブに出かけて、
そんな塊りを良く噛んでは大量のビールで流し込んだ。
気の利いたチャイ屋で、路地裏の居酒屋で、場末の屋台で、
座ってゆっくりとウマい飯を食いながら、見知らぬ人と話しながら
自分をまとめることで、この街を少しだけ好きになった。
毎度毎度、長旅は苦しい。
歩けば歩くほど自分の弱さが浮かび上がってくる。
言葉も冗談もろくすっぽ通じない中で、 新しい価値と向かい合わなければならない。
それでも恐れずに、一日中歩く。
あの角を曲がると新しい景色があるかもしれなと思って歩く。
もっと柔らかく強くいなくてはならないと思う。
有限の時間の中で、直接出向いて生々しいものを確かめる必要。
一辺倒に肥大する情報を鵜呑みにして粗雑にくくるのではなく
私個人の肌感覚を信じたい。
「おもしろい」とか「カッコいい」とか「美味しい」とか「かなしい」
そんな原始的な感覚を大切にしたい。
世界はまだまだ広い。
隣の事さえも何一つわかっちゃいない。
あの公園へ行こう、美術館へ行こう、映画館へ、ライブハウスへ、
海へ山へ出かけよう。
それから君と居酒屋へ行って朝まで話そう。
生々しいものだけを信じる。
そう、ぼくは料理を続けよう。