静物

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    静物 吉岡実

    夜の器の硬い面の内で
    あざやかさを増してくる
    秋のくだもの
    りんごや梨やぶだうの類
    それぞれは
    かさなったままの姿勢で
    眠りへ
    ひとつの諧調へ
    大いなる音楽へと沿うてゆく
    めいめいの最も深いところへ至り
    核はおもむろによこたはる
    そのまはりを
    めぐる豊かな腐爛の時間
    いま死者の歯のまへで
    石のやうに発しない
    それらのくだものの類は
    いよいよ重みを加へる
    深い器のなかで
    この夜の仮象の裡で
    ときに
    大きくかたむく


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